
最近、中国のGDPが日本をそろそろ抜くよーって感じになってプライドがやばくなってきたせいか、あるいは、不況だからそんなこと言ってらんねーってことなのか、「日本って成長はそこそこでよくね?大切なのはこころの豊かさじゃね?」論を最近聞かない。スローフード、とかも全く聞かない。ちょっと前はそんなんばっかだったのに。
つまり、結局日本はどこ目指すの?
これがよく分からないってこと。方向性とかゴールってすごく大事。っていうか便利だよね。ゴール決めちゃえば、やるべきこととやらなくていいことがある程度見えてくるからかな。戦略があってこそ戦術が立てられるんだよね。
先日総務省では「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」(長い名前だやう、ほんたうに)という会議が開かれた。錚々たる面々が参加してこれからのICT政策を考えてこー、って集まったんだけど、内容は単なる放談会。まあ第一回目だから仕方ないってのはあるかもしれないが、このタスクフォースだけでなく、従来からの研究会等でも、政府の目指す方向性が良く分からないから、事務局である官僚もどういう風に会議を進めていいのか分からないの。政治主導って言うけどどこに連れてかれるか全然わからんのだ。
さて、この民主党の方向性云々に関して、自分で言うのもなんだけど、以前俺が書いた文章を今読むとなかなか面白い。子供手当について。一年ちょっと前の文章だけど、こういう論点、今もあまり無いんじゃないかなあ。もちろん当時は民主党が政権取るなんて思ってもなかった。当時の俺の論点は、現在ではもはや使い古されているが、今だ有効な論点――民主党って戦略ないよねーって論点と同義。子供手当も「目的は何なの?」ってところから考えるとこういう批判が成り立つ。以下過去日記より引用。(引用元:http://blog.goo.ne.jp/dassou-net/e/a6e8bb75c3457d31c0a4fadf5c2ff54d)
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はあ・・・なんでこうも親と衝突するんだろう。全力で論理的な弱音を吐きたいけど、後悔しそうなのでやめとく。久しぶりに政治ネタいきます。
ニュースで小沢一郎の代表質問の様子が報じられていて、そこで初めて知ったのだけど、民主党の法案で「子供手当」ってものがあるらしい(http://www.dpj.or.jp/news/?num=12437)。
俺はこの法案を知ってちょっと考えてから、「これまずくね?」と思った。そう思ってネットを一通り巡回してみたけど、今のところ俺のような考え方で「この法案まずい」って言ってる文章は見当たらなかった。だからちょっと書いてみる。
「子供手当」とは、中学校修了までの子どもに一人当たり月額2万6000円支給しますよ、っていう制度だ。特徴は、
(1)支給に必要な費用は全額国庫負担とすること、
(2)出生順位にかかわらず皆同額の手当額とすること
(3)保護者の所得制限を設けていないこと
詳しくは上のリンクを見て頂ければと思う。
まあ子育てしやすい環境を作って少子化の流れに歯止めをかけようっていう目的なんだろう。もちろんかなり斬新な法案なので、賛成意見と同様、反対意見も一通り揃っている。例えば、「正直、毎月2万6000円もらえるくらいで子供産もうとか考えねーよ」、とか、「結局税金から払うわけっしょ?子供いない私ら、割食ってない?しかも国の赤字、大丈夫なの?」とか。これらはもっともな批判で「そうだそうだ!」って言いたいけど、今回はこういう角度からの批判はパス。違う角度から。
俺の懸念は、「この制度って貧困層を量産しちゃうんじゃね」ってものだ。どういうことか。
この「子供手当」導入の民主党の思惑は、「今まで金銭的な理由から子供を持てなかった家庭も子供を産むことができるぜ!少子化是正だぜ!」というものだ。でも、問題なのは手当の支給が「中学校修了まで」ということだ。俺の母親も言っているが、子育てで一番お金がかかるのは義務教育以降。だからたぶん「子供手当」を当てにするような家庭の大半は、子供を高等学校に進学させることができない。そして今の日本の現状では、中卒者の就職状況というのはあまり恵まれておらず、高卒や大卒と比べると、生涯賃金の差は大きく広がる。とすれば、この法案が通って、民主党の思惑どおりの効果が得られたとしたら、貧乏な家庭からは延々と貧困層が再生産され続けるということになる。
一方、ある程度お金のある家庭にとって2万6000円というのは、大したお金ではない。そりゃあ小遣いレベルでは嬉しいだろうけど。少なくとも、この手当てができたからといって子供を増やすとは考えにくい。だから、高校・大学と進んである程度の賃金をもらえる国民の数は増えていかない。
つまり、この手当てはひたすら貧困層を増やすという結果しか生まないのではないだろうか。本末転倒。
だってさ、そもそも人口減が嫌なわけじゃなくて、人口減によって引き起こされる国力の減退が嫌なわけでしょ?確かに人口は増えるのかもしれない(これすら微妙だよね)。でも貧困層ばっかり再生産するようじゃ、「国力を減退させてまで人口減を止めたい!」みたいな法案だよねえ、これは。そんなことまでして無理に人口減を是正しなくていいんじゃないか。むしろ、人口減でも成り立つような社会の構造を模索した方がいい。そういう議論がほとんど出てこない。いや、そんなことじゃなくても、規模を縮小しようっていう発想がない省庁を見直す方がよっぽど効果的なはずだと思うぜ。
さーて、そろそろ大学に行こう。
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引用終わり。
今週末の早稲田祭、行きます。
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